変形性股関節症
変形性股関節症の症状
主な症状は歩行時の脚のつけ根の痛みです。症状が進むと変形が生じ、股関節の動きも制限され、靴下履き、和式トイレが困難になります。
初期
立ち上がり、歩き始めに脚のつけ根の痛みが生じ、歩いていると軽快してきます。
進行期
歩行時や考査中に痛みが強く、靴下履き、足の爪切り、正座や和式トイレなどが困難になります。
末期
足のつけ根が伸びなくなり、膝頭が外を向くようになります。また、左右の足の長さも違ってきます。
変形性股関節症の原因・病態
原因は、先天性股関節脱臼の後遺症、臼蓋形成不全症、あるいは外傷が主なものです。
はじめに関節軟骨がすり減り始め、最後には骨の変形をきたします。
親戚、親兄弟の先天性股関節脱臼や股関節疾患の患者がいる場合には臼蓋形成不全症の可能性があります。
変形性股関節症の診断
問診、股関節の誘発痛や可動域制限、X線像などで診断します。必要に応じてCTやMRIなどの検査を行います。
変形性股関節症の予防
近親者に股関節疾患の患者がいる場合には、近医に診てもらう必要があります。
体重の増加に十分注意することも大切です。
また下肢を広げる筋肉(中殿筋)をゴムチューブを使用して強化します。
変形性股関節症の治療
- 日常注意: ダイエットに心掛け、日常の歩行では杖をつきます。
- 運動療法: 水中歩行や水泳などで股関節周囲の筋力増強を行います。
- 投薬: 痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤の内服や外用薬が有効です。
- 手術: 股関節の状態により、寛骨臼あるいは大腿骨の骨切り術や、変形が高度な場合には人口関節置換術を行うことがあります。