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小児整形

小児整形に対応いたします。
お子様のケガ・骨折・成長などお困りの際はご相談ください。

子どもの骨折について

子どもから痛みの訴えがあったとき、「歩けるから大丈夫」、「関節が動くから骨折していない」などと自己判断しないで、「触ると泣く」、「手を使わない」、「足に体重をかけられない」などの症状があれば、骨折を疑って整形外科を受診しましょう。
特に乳幼児では、腫れが少なかったり、骨折していない部位の痛みを訴えたりすることもあり注意が必要です。

転倒や転落によるものがほとんどです。
肘関節の周囲や前腕など上肢の骨折が約半数を占め、次いで多いのが鎖骨や下腿の骨折です。
成長過程の骨には弾力があり、骨幹部では隆起骨折や若木骨折、力学的に脆弱な成長軟骨が存在する関節周囲では骨端骨折(骨端軟骨の離開)など小児特有の骨折があります。

十分な視診、観察で疼痛部位を予測し、最小限の触診をして、骨折の部位を確認したのち、X線(レントゲン)撮影を行います。

受傷直後にはX線で骨折を確認できないことや、骨折線が現れず弯曲する急性塑性変形もあり、また骨折に関節脱臼を伴うこともあります。

骨端軟骨や関節内の骨折では診断が難しいため、骨折が疑われる側だけでなく健側も撮影をしたり、ギプスなどで固定して定期的なX線観察を行い、診断を付けます。

治療には保存療法と手術療法があり、X線所見を参考にして治療法が選択されます。

関節周囲の骨折以外は自家矯正が期待できるので、通常は徒手整復による保存療法が行われます。血管損傷や神経損傷がないことを確認して、ギプスなどで固定します。成長期は骨が癒合しやすいので、1~2カ月たてば安定します。

整復後に変形が残ったり骨折部が離れたりしていても、軽度なら心配することはありません。
自家矯正力が高いのが小児の骨折の特徴です。

不安定な関節周囲の骨折や大きく転位した骨折では、入院して持続牽引を行ったり、経皮ピンニング手術を行ったりします。

※日本整形外科学会「整形外科シリーズ 24」から画像を引用しております。

肘内障

肘内障について

幼児において、骨折や脱臼を含む外傷は肘周辺に多く、その中でも肘内障は、最も高い外傷の一つといわれています。
身近なお子さんが実際に肘内障と診断されて治療を受けられた方も少なくないと思います。

よく「肘が抜けた」というふうに表現されますが、正確には脱臼ではなく、輪状靭帯に包まれている橈骨頭が、引っ張りとねじれの力が加わることにより輪状靭帯からずれることによって発症します。
腕を引っ張られたり、腕を下にして転んだりした際にも発生しますが、原因がはっきりしない場合も少なくありません。
2~6歳の幼児に多く見られます。
受傷後は痛みが生じ、その痛みを避けるために肘を動かさなくなり、肩が抜けたかのように見えたり、手首を痛めているように見えたりします。

骨折や脱臼との鑑別診断上、レントゲン検査を行うことがありますが、肘内障自体は異常な所見はありません。
現実的には腫れがなく、問診と診察から、骨折などが否定的であれば、レントゲン撮影は行わずに、整復操作をただちに行うこともあります。
麻酔は必要なく、できるだけ手のひらを上に向けて、橈骨頭を押さえながら肘を曲げていくと、整復音とともに整復されます。
整復が成功すれば、程なく痛みが消失して腕を動かせるようになります。
整復後は簡単な固定をすることもありますが、しないで済むことが多いです。
再発予防は、しばらくの間は、腕を引っ張らないように気をつけることです。

肘内障は繰り返すこともありますが、成長とともに発症することはなくなります。

お子さんで肘の痛みがある場合、必ず整形外科を受診してください。

※日本手外科学会「手外科シリーズ 21」から画像を引用しております。

 

側弯症

運動器学校検診

1979年度に導入され、側弯症学校検診に代わり2016年度から運動器学校検診が開始されました。
運動器学校検診では、まずご家庭で子どもの背骨や手足について評価を行い、その後、学校医による視触診が実施され総合判定を行います。脊柱側弯症が疑われ「整形外科への受診要」と判定されますと整形外科を受診して頂きます。

脊柱側弯症

脊柱側弯症は、成長期にいつでも発症するため、成長が継続している間はたとえ一度の検診で異常がなくても安心はできません。
毎年、検診以外にも、ご家庭で背部の状態をチェックすることが理想であり、気になる変化があれば整形外科の受診をお勧めします。

原因と病態

日本での発生頻度は1~2%程度で、女子に多くみられます。
原因不明の側弯を特発性側弯症といい、全側弯症の60~70%を占めます。
そのほか、脊柱の先天的な異常による側弯を先天性側弯症、神経や筋の異常による側弯を症候性側弯症といいます。

診断

診察では、子供に前かがみの姿勢をとらせて後ろから脊柱を観察します。
症候性側弯症の鑑別には、神経学的検査やMRI検査が有効です。
短期間で側弯が悪化してくる場合には、注意深く年に数回の診察が必要になります。
脊柱全体(立位)のX線(レントゲン)写真から側弯の程度を角度で表しますが、脊椎骨(せきついこつ)や肋骨に異常がないかも同時に調べます。

予防と治療

側弯症は、弯曲が進行する前に診断して、治療を開始することが大切です。
このことから、学校検診も行われています。
治療は側弯の原因や程度、年齢などによって異なります。
特発性側弯症で程度が軽い場合には、運動療法などで経過観察しますが、進行する場合には装具治療を行います。
脊柱の成長期である思春期に悪化する場合が多いため、進行する場合は手術による矯正が必要になる場合があります。

単純性股関節炎

単純性股関節炎は、股関節の痛みを伴う子どもの病気では一番頻度が多く、3~8歳に最も多く発症します。
多くは、発症1~2週間前に風邪や気道感染症にかかっているとされ、ウイルス感染の影響が考えられていますが、原因はわかっていません。

症状

前日まで全く元気だったのに、朝起きたら片方の太ももや膝が痛くて足を引きずらないと歩けない、もしくは全く歩けないという状態になります。
熱が出ることもありますが、高熱はあまり出ません。

診断

突然の股関節の痛みと運動制限に加え、レントゲンや超音波検査で股関節に液体がたまっていることが分かると、可能性が高くなります。
他の股関節疾患と区別するには、MRI検査となります。
股関節に細菌が感染する「化膿(かのう)性股関節炎」という病気は重症で、緊急に適切な治療をしないと後遺症を残すことがありますが、それと区別するのにMRIや血液検査が役立ちます。
血液検査で炎症反応が高い場合は、化膿性股関節炎との見極めが必要になります。
その場合、股関節から関節液を採取する検査をすることがあります。

単純性股関節炎は多くの場合は1~3週間の安静で改善します。症状の強い場合は入院治療をすることもあります。

環軸椎回旋位固定

環軸椎回旋位固定とは、首が傾いて、傾いたまま動かせなくなる斜頚と呼ばれる疾患の一種です。
症状としては首の傾きだけでなく、無理に動かそうとすることで強い痛みを伴うこともあります。

10歳以下のお子さんがなりやすいです。
首の1番目の骨は環椎と呼ばれ、2番目は軸椎と呼ばれており、この二つの関節が動くことによって首が動かされます。
この環軸関節が亜脱臼をしてロックがかかった状態になったものが環軸椎回旋位固定です。
強い衝撃によってなるということではなく、些細なことで起こります。

多くは原因不明で、 10%ほどは喉の感染症に関連しておこるものがあるようです。

軽微な外傷などをきっかけに起きることもあります。
子どもが急に首の痛みを訴え、同時に斜頚を呈し、首をほとんど動かせない状態となります。
風邪症状が先行している場合もあります。

  • 首が曲がったまま戻らない。
  • 首を動かせない。
  • 腕の感覚が鈍くなったりする。
  • 無理に動かそうとすると痛みを生じる。

治療と予後

早期の環軸椎回旋位固定の場合は、ほとんどが数日から10日程で自然治癒します。
治療では、頚椎カラーを用いた装具固定や、喉の炎症が要因とされる場合には抗生剤を使用する薬物治療が行われます。
1週間以上たっても治癒しない場合には、牽引治療を行うこともあります。
関節変形がみられ整復が困難な場合や神経症状を伴う場合には手術を行うこともあります。

お子さんの首が曲がって元に戻らない場合は、整形外科を受診しましょう。

ワクチン

当院では、インフルエンザも行っております。
ワクチン接種は、在庫などの兼ね合いがありますので、お手数ですが、事前にお電話下さい。

インフルエンザワクチンについて

料金1人1回 3300円税込

※尚、コロナワクチンは行っておりません。

土壌などで汚染された傷には破傷風トキソイドが必要な場合があります。

破傷風について

破傷風は、破傷風菌が産生する毒素によって、口唇や手足のしびれや口が開けにくいといった神経症状を引き起こし、治療が遅れると全身けいれんを引き起こし死に至る感染症です。
破傷風菌は全世界の土壌中に広く分布し、おもに傷口についた土などから感染します。
特に途上国では、ワクチンの不足や不適当な傷の手当などが原因で患者が多く発生しています。

日本では、三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)と二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風)の定期接種が実施され、患者数は減少しています。
患者の年齢分布は、若年層では予防接種を受けているため少なく、一度も予防接種を受けていなかったり、ワクチンの免疫が消失した高齢者層で多くなっています。

前回の接種から10年以上経ている人は、1回の追加接種をお勧めします。

1.病原体

破傷風菌(Clostridium tetani)。グラム陽性の嫌気性菌で、胞子の形で土壌中に広く分布しています。

2.感染様式

破傷風菌が、傷口についた土などから体内に侵入し感染します。
傷口に木片や砂利などの異物が残っていると、破傷風は発病しやすくなります。

3.症状

潜伏期間は通常3日~3週間で、平均4~7日ごろから、口を開けにくい、首筋が張る、寝汗をかくなどの症状があらわれます。
しだいに口が開けにくいといった硬直感が出て、手足にもこの異常感覚が広がり、この時点で診断が遅れたり抗毒素が注射されなければ、腹部を突き出すように全身を弓なりにけいれんさせて、約4割(新生児で8割)が死に至ります。

4.治療方法

発病した患者には破傷風免疫ヒトグロブリンの血清療法を行います。
さらに傷口の消毒や気道確保、抗けいれん剤の投与を行います。

5.予防方法
破傷風トキソイドワクチンの接種。

予防接種が最も有効な予防方法です。(6を参照)

けがに注意すること。

旅行者では、裸足で川遊びなどをしたり、誤って物を踏んだときに足に傷を負ったり、運動中や交通事故、動物にかまれてけがを負ったときなどに、感染が多くみられます。
日常けがをしないよう心がけ、傷を負ったときは、まず水で傷口を洗い流し消毒します。
破傷風菌は空気に触れない状態を好む菌で、傷口がふさがると増殖するので、不用意に傷を閉じたりせずに早めに医師に相談して下さい。

6.破傷風の予防接種

日本では、小児期に三種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風)の定期接種が実施されています。
1回では十分な免疫ができないので、乳幼児期にまず3回接種し、さらに追加接種を1回します。
(Ⅰ期)さらに長期にわたる免疫をつけるために、小学校高学年から中学校で、(Ⅱ期)二種混合ワクチン(DT:ジフテリア・破傷風)を1回追加接種します。
(Ⅰ期は生後3ヶ月~1歳までに3回接種、1年~1年6ヶ月後(6ヵ月後から可能)に追加接種を1回、Ⅱ期は11~12歳に追加接種1回)

前回の接種後10年を過ぎた人は、追加接種が望まれます。 (11~12歳で破傷風を接種後、10年が過ぎた20歳前後の大学卒業時(就職前)が追加接種の目安になります。)
また犬や動物にかまれたときは、破傷風ワクチンが必要となります。

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