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肩こり・肩外来

肩こり

原因

肩こりは肩甲骨周囲にある筋肉(図1)の血行不良が原因で筋肉がこる(かたくなる)状態で、その原因はいろいろあります。なで肩などの体形や職業、生活環境、ストレスなども要因としてあげられます。また高血圧、内臓の病気など内科的疾患が関係していることもあるので、注意が必要です。

診断

整形外科を受診するとまずX線検査を行います。頸椎からくることが多く、五十肩などの肩の病気で肩こりが生じることもあります。またまれに脊髄腫瘍や癌の頚椎転移からくることもありますので、単なる肩こりと軽く考えずに整形外科専門医を受診し、原因に基づく治療を受けることをおすすめします。

治療

姿勢や環境などの原因の改善が第一です。肩こりがひどい場合は内服や湿布の処方を行うこともあります。漢方も場合により有効です。牽引や超短波などの器械を用いた治療も効果があります。

予防と対策

普段から肩こり体操やストレッチを1日1回から2回行います。これらは入浴後など肩をあたためてから行うと効果的です。逆に筋肉が冷えると症状が悪化することが多いので、夏場はクーラーの効きすぎた空間に長居しないことも大切です。また血行不良も悪化の原因となりますから、抹消血管を収縮させるたばこも控えめにしたほうがいいでしょう。高血圧などの内科的疾患が原因のこともありますので、肩こりが続くようなら内科の先生にも相談してみましょう。

腱板損傷

肩腱板損傷ってどんな病気?

肩腱板損傷とは、肩関節の動きを安定化する重要な役割を担う4本の腱から成る腱板が傷んで、痛みや可動域制限を伴う病気です。
損傷が放置されると、肩の力が弱くなる、洋服を着たり脱いだりするのが困難になる、痛みで眠れないという症状に発展していきます。

肩腱板損傷の症状とは?

症状として主なものは肩関節の痛みです。
痛みの種類としては運動時痛と安静時痛の2つに大別されます。
運動時痛は日常生活動作に加えて物を投げる動作などで痛みを生じる事が多いです。
また安静時痛のうち腱板周囲の炎症が強い場合には、痛みによって睡眠がしっかりとれない夜間痛がみられます。

肩腱板損傷の原因は?

肩腱板は40歳を過ぎるころから変性して傷がつきやすくなります。
また骨と骨の間に挟まれているため、損傷されやすい箇所だといえます。
重い物を持ったり、転倒や交通事故、スポーツ中に捻るなど明らかな外傷により発症することが多いですが、これといった心当たりがなく日常生活のちょっとした動作の中で発症する場合もあります。

肩腱板損傷の検査と診断は?

検査は徒手検査などによる腱板損傷に特徴的な理学所見に加えて、X線検査、MRI検査、超音波検査などを行います。
肩腱板損傷と似た疾患として 肩関節周囲炎(五十肩)がよく挙げられますが、肩関節周囲炎ではMRI検査、超音波検査で腱板の変性や周囲の炎症所見が見られるのみなのに比べ、腱板損傷では腱の一部あるいは全部が断裂しています。
進行した場合は腱が完全に断裂して縮んでしまいます。
この様な状態になってしまうと残念ながら腱板が自然に修復される事は望めません。

肩腱板損傷の治療法とは?

肩腱板の断裂部分が完全に治る事は期待できませんが、外用薬、内服薬、副腎皮質ホルモン(ステロイド)注射、超音波治療、干渉波治療などの炎症を抑える治療により痛みは軽減される場合が多いです。
また運動療法により残存している腱板の機能を賦活させることにより、肩関節の運動を安定化させ症状の軽減を目指します。
これらの治療で痛みが改善されない場合には手術的治療が選択されます。
手術では関節鏡などを用いて損傷した肩腱板の修復が行われます。

石灰性腱炎

石灰沈着性腱炎はこんな病気

石灰沈着性腱炎は腱のまわりに石灰がたまって痛みを生じる病気です。
腱は筋肉の先の方が筋(すじ)状に硬くなった部分で、筋肉の動きを腕や足に伝えるはたらきをしています。身体の中のいろいろなところにありますが、特に関節の近くや手足に多く存在しています。この腱のまわりに白いチョークのような石灰成分がたまって、腫れたり熱を持ったりして強く痛むことがあります。炎症の一種と考えられていますが、なぜ石灰がたまるような炎症が起こるのかについては、十分には分かっていません。
特に肩関節の「腱板」という部分に起こることが多く、その場合は「石灰沈着性腱板炎」と呼ばれます。

石灰沈着性腱炎の症状

特にはっきりした原因がなく、急激に強い痛みが出現し、発症した部分の関節を動かすことが困難になります。石灰がたまった部分は腫れて熱を持つことが多く、触れたり押したりすると痛みを感じます。じっとしているとき(安静時)よりも、動かしたとき(運動時)の方が強く痛みます。
肩に発症すると、腕を上げることができなくなります。40~50代の女性の肩関節に多く発症するのが特徴です。

石灰沈着性腱炎の検査・診断

「石灰沈着性腱炎の症状」で述べたような典型的な発症の仕方に加え、局所の強い圧痛(押すと痛みを感じる)と運動時痛(動かすと痛む)があるときは、石灰沈着性腱炎を疑います。
X線検査で骨の脇に本来はないはずの白い影がみられると、石灰の沈着があると診断されます。しかし、小さな石灰はX線検査では骨と重なって判定できないこともあります。
石灰沈着の部位を詳しく見る場合はCT検査を行ないます。超音波検査やMRI検査でも分かることがあります。

石灰沈着性腱炎の治療法

消炎鎮痛薬(痛み止めの薬)を使用することで、多くは1~2週間程度の経過で症状が軽快します。しかし、石灰沈着性腱炎による痛みは強く、早期に改善を希望する場合は局所への注射を行なうことがあります
発症して間もない時期は石灰がクリーム状で柔らかいので、石灰の部分に針を刺して吸い取ることができます。このときに全部を吸い取る必要はなく、一部分を吸引するだけでも痛みは楽になります。痛みが落ち着いて関節の動きが回復すれば、石灰が残ってもそのまま経過をみます。
時間が経つと石灰は硬くなってしまいます。そのようなときは、太めの針を刺して石灰の塊を砕いたり、手術で摘出したりすることもあります。最近は、専門の器具を使って衝撃波を患部に照射する「体外衝撃波治療」が行なわれることもあります。関節の拘縮(こうしゅく=関節が動かなくなること)が残るようなときは、リハビリテーションを行ないます。

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