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痛覚変調性疼痛をご存知ですか?

[2024.10.06]

痛覚変調性疼痛は、2021年に日本痛み関連学会連合で定められた新しい概念です。ケガや病気が無く、神経や脳の損傷が無いにもかかわらず,とにかく常に痛いという状態です。いきなり痛覚変調性疼痛が生じることは稀で、様々な痛みを引き起こす疾患が原因となって,過剰な安静による筋量低下や社会交流の乏しさによる脳の機能異常により合併して起こる現象です。簡単に説明をすると,「痛みを引き起こす行動が繰り返されることで,より痛みを感じやすく敏感になっている状態」「痛みを繰り返すことで,脳が痛みを学習し,痛みへのハードルが下がってしまうことで小さな痛みでもすぐに強い痛みと感じてしまう状態」です。

治療薬としては、神経痛に使用する薬剤を使用しつつ,状況に応じてデュロキセチンを使用することもあります。デュロキセチンは抗うつ薬でもありますが、我々は慢性痛に対する痛み止めとして使用したりします。脳の中でセロトニン・ノルアドレナリンという物質を増やす作用で,下降性疼痛抑制系と呼ばれる脳の痛みのブレーキシステムを正常に戻すために使います。しかしながら痛みを完全に押さえ込むことは難しい場合もあり,リハビリで体を動かしたり,認知行動療法と呼ばれる心理療法で痛みへの注意を逸らしたり,痛みの捉え方,行動を正すこと,社会参加を段階的に講じることで徐々に改善を目指していきます。

私の慢性疼痛へのアプローチは、まず手っ取り早くデュロキセチンを内服していただき、痛みを抑え、薬を減らす代わりに運動療法を加えていきます。イメージ図を作りましたので参考にしていただけたらと思います。

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井土ヶ谷整形外科リハビリクリニック

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